フロントエンドエンジニアについて調べていると「つらい」「やめとけ」のようなネガティブなキーワードが出てくることがあります。
そのため、以下のようなお悩みを持っている方もいるのではないでしょうか?
- フロントエンドエンジニアはつらいって本当なんでしょうか?
- 残業は多いんですか?
- フロントエンドエンジニアのどういうところがつらいですか?
フロントエンドエンジニアを目指して勉強中の方からすれば「つらい」「きつい」というのが本当かどうかは気になりますよね。
そこで、現役のフルスタックエンジニアとして実際にフロントエンド開発をしている筆者が、実体験をもとにお答えします!
この記事を最後まで読んでいただければ「フロントエンジニアはつらいのか?」という疑問を解消できます。
フロントエンドエンジニアとは?
「フロントエンドエンジニア」とは Webサイトやアプリの「顔」とも言える部分、つまりはユーザーインターフェース(UI)を作り上げるスペシャリストです。
フロントエンドとは、簡単に言えば、ユーザーが直接触れる部分、画面です。
フロントエンドエンジニアは、この画面を使いやすく、魅力的にすることで、ユーザー体験(UX)を高める役割を果たします。
では、具体的にどのような技術が求められるのでしょうか。
フロントエンドエンジニアは、HTMLでページの構造を作り、CSSでデザインを施し、JavaScriptで動的な要素を加えるなど、多岐にわたる作業を手掛けます。
フロントエンジニアの仕事内容
フロントエンドエンジニアの仕事は多種多様ですが、その中心にあるのはウェブサイトやアプリケーションの「表面」を作ることです。
以下に、具体的な仕事内容を詳しく説明します。
ページの構築とレイアウト設計
HTML、CSS、JavaScriptの三大要素を駆使して、デザインスケッチやワイヤーフレームを元にページを形作ります。
デザイナーやUI/UXエキスパートと密接に協力し、そのビジュアルコンセプトを実際の画面に変換します。
レスポンシブデザインもこのフェーズで取り入れられます。
つまり、スマートフォンから大型ディスプレイまで、どんなデバイスでもページが美しく表示されるように工夫するのが求められます。
ユーザーインタラクションの実装
次に、JavaScriptや各種フレームワークを使って、ユーザーが画面で何をしたいのか、その操作をスムーズに行えるように設計します。
- ボタンを押したらどう反応するか?
- スクロールしたら何が起きるか?
- マウスカーソルを合わせたらどう見せるか?
上記のような「インタラクティブな要素」は、ユーザーが行った操作に応じて即座に何らかの反応を返すものです。
パフォーマンスの最適化
ページの読み込み速度や動作のスムーズさは、ユーザーがサイトに長く滞在するかどうかを左右します。
そのため、画像の圧縮やキャッシュの利用、不要なコードを削減するなど、さまざまな角度からパフォーマンスを高める工夫が必要です。
APIとの連携
こちらは裏側の仕事ですが、バックエンドエンジニアが作ったAPIを使ってデータを取得したり操作することも多いです。
AjaxやFetch API、GraphQLなどの技術がここで登場します。
※「APIってなに?」と思ったら、簡単に言えば「データを取ってくる道具」だと考えてください!
バージョン管理とコードレビュー
コードが多くの人によって書かれる大規模なプロジェクトでは、その管理が大変です。
そこでGitなどのバージョン管理ツールが役立ちます。
また、コードレビューを通じて、チームメンバー全員で品質を高め、知識を共有します。
テストとデバッグ
書いたコードがちゃんと動くか確認するためのテストも重要です。
特に自動テストフレームワークを使えば、継続的に品質をチェックすることができます。
このようにフロントエンドエンジニアの仕事は、単にコードを書くだけでなく、デザインの感覚や人とのコミュニケーションスキルも大切にされます。
特に、ユーザーと最も近い部分を作るため、その視点での開発が非常に重要です。
フロントエンドエンジニアがつらいと言われる理由10選
フロントエンドエンジニアリングは多くの面で刺激的でやりがいのある仕事です。
その一方で独自の課題とストレスも多く、そのイメージから「フロントエンドエンジニアはつらい」という声を聞くこともあります。
以下にその主な理由を10項目で詳しく説明します。
たくさんの知識が必要
フロントエンドエンジニアの仕事は非常に多岐にわたるため、必要な知識も広範です。
HTML、CSS、JavaScriptなどの基礎的な技術から始め、フレームワーク(ReactやVue.jsなど)やライブラリ、APIの利用、さらにはSEOやパフォーマンス最適化まで学ぶ必要があります。
例えば、JavaScriptだけ見てもES6、ES7といった新しい仕様が次々に出てくるため、最新の情報を追い続けなければならないのです。
このような知識が不足すると、特定の問題に対する解決策を見つけられなかったり、他のエンジニアとコミュニケーションが取れなくなる場合もあります。
他工程の影響を受けやすい
フロントエンドエンジニアリングは、他のエンジニアリング領域と強く連携しています。
特にバックエンドエンジニアやデザイナー、データベース管理者との連携は密です。
この相互依存性は、他の工程で問題が発生した場合、フロントエンドにも影響が出やすいという側面を持ちます。
例として、バックエンドでのデータ構造の変更やAPI仕様の変更があった場合、フロントエンドもそれに合わせて修正をしなければならないケースがあります。
このような状況が、フロントエンドエンジニアが他の工程の影響を受けやすいと言われる理由です。
解決策を見出すまでに時間がかかる
フロントエンドエンジニアリングはユーザーインターフェースに密接に関わるため、問題解決の過程が特に複雑になることが多いです。
例えば、ユーザーが何らかの操作で困っているというフィードバックがあった場合、その原因がデザインなのか、コードなのか、あるいはバックエンドとの連携なのかを明らかにするだけでも一苦労です。
また、後述しますがブラウザやOSにも依存することがあり、予期せぬ問題によりうまく動かないということもあります。
このような多層的な問題解決には時間がかかり、それが精神的な負担となる場合もあります。
最新技術を常に勉強しなければならない
ウェブの世界は常に進化しており、新しいフレームワークやツール、ライブラリが次々と登場します。
Reactが流行ったと思ったら、次にはVue.jsやSvelteが話題になるといった具体例があります。
このようにして最新技術に適応していくためには、一息つく暇もなく学習を続けなければならないのです。
このような状況が、常に最新の技術を追いかけなければならないと感じさせ、つらいと感じる主な理由です。
ブラウザやOSのバージョンによって挙動が変わる
フロントエンドエンジニアが遭遇する大きな課題の一つは、ブラウザやOSのバージョンによって同じコードでも挙動が変わることです。
例えば、iOSとAndroid、あるいはChromeとFirefoxで動きが異なる場合、それに対応するために多くの時間と労力が必要になります。
特にCSSの細かいスタイリングやJavaScriptのAPI呼び出しにおいては、ブラウザやOSごとの違いに頭を悩ませることが多いです。
このように、予期せぬ影響により動作確認が大変になることが、フロントエンドエンジニアがつらいと感じる理由の一つです。
クライアントからの細かい要望を受けることが多い
フロントエンドエンジニアが扱うのは、ユーザーに直接見えるインターフェースです。
そのため、クライアントからの微細な修正要望や機能追加が頻繁に寄せられるのが一般的です。
例として、ボタンの位置を少しだけ移動させてほしい、あるいは文字の色をわずかに変えてほしいといった要望があります。
これらの細かい修正が積み重なると、計画していた作業のペースが遅くなり、ストレスが高まり、つらいと感じることがあります。
Webデザイナーを兼務する場合がある
特に小規模なプロジェクトやスタートアップ環境では、フロントエンドエンジニアがWebデザインのタスクも担当するケースがしばしば見られます。
一見、多くのスキルを学べるという利点がありますが、実際にはこのダブルロールが負担に感じることもあるでしょう。
例えば、デザインの細部に注意を払う必要がある一方で、コードの効率やパフォーマンスにも気を配らなければならないといった具体的な課題が存在します。
このような多様な責任を一人で背負うことはやりがいがある反面、マルチタスクになりがちですので、つらいと感じるがことがあります。
職場次第では残業が多い
フロントエンドエンジニアリングには特有の緊急性がしばしばあります。
これは主に、リリース直前にユーザーインターフェースのバグが発見された場合や、クライアントからの細かい要望に応える必要が出てきたときなどです。
例えば、ユーザーからのフィードバックを元に急遽UIを調整する必要が出てきた場合、その作業は通常の業務時間を超えて行うことが一般的です。
このような緊急な調整や修正が多いと、残業が増える傾向にあります。
納期に追われやすい
フロントエンド開発では、プロジェクトによってはバックエンドやデザインが終わってからではないと作業できないことがあります。
このため、納期が近づくと急激にプレッシャーが高まることが多いです。
例として、バックエンドが完了してからフロントエンドの実装が始まる場合、時間の制約がかなり厳しくなることがあります。
ただし、プロジェクトによってはフロントエンドとバックエンドを分離して作業を進めることもあります。
この場合、フロントエンドエンジニアはバックエンドの進捗に左右されず、自分のペースで作業を進めることができます。
他のエンジニアやデザイナーとのコミュニケーションが必要
フロントエンド開発は多くの場合、チームでの作業となります。
これは他のエンジニアやデザイナーとのコミュニケーションが不可欠であるということです。
例えば、デザイナーが作成したモックアップに基づいてコーディングを始める場合、そのモックアップが変更されたら速やかに対応する必要があります。
これに遅れが出ると、全体のプロジェクトスケジュールが遅れる可能性が高まります。
コミュニケーションが不足すると、効率的な作業が妨げられ、結果としてミスや遅延が生じる可能性があります。
そのため、コミュニケーションが苦手な人にとっては、フロントエンドエンジニアリングはつらいと感じることがあるでしょう。
しかし、コミュニケーション能力は練習によって向上するため、あきらめる必要はありません。
フロントエンドエンジニアに向いている人の特徴 4選
フロントエンドエンジニアに向いている人の特質には何があるのでしょうか。以下の4つの特性は、成功するフロントエンジニアに共通して見られる傾向です。
UI・UXやデザインに興味がある人
フロントエンドエンジニアの仕事は、ユーザーがアプリやウェブサイトをどのように体験するかを設計する役割です。
これをユーザー体験(UX)と呼びます。
UXは、製品の成功を大きく左右する重要な要素です。
また、ユーザーと製品との対話を行う「窓口」をUI(User Interface)と呼びます。
美しいUIデザインは、製品に対するユーザーの満足度を高めます。このような要素に対する興味や熱意を持っている人は、フロントエンド開発に非常に適しています。
最新の情報・技術に関心がある人
フロントエンドの世界は絶えず進化しています。
新しいライブラリやフレームワークが頻繁に登場するため、成功するフロントエンドエンジニアは常に学習を続けなければなりません。
最新の技術動向に敏感で、それを自らのスキルセットに適応させる能力が求められます。
ユーザー目線で考えられる人
フロントエンドエンジニアは、製品を使う最終的なユーザーの立場を常に考慮する必要があります。
例えば、技術的に優れた機能でも使い勝手が悪ければ、製品は成功しません。
そのため、ユーザーの視点で直感的なインターフェースを設計する能力が重要です。
こだわりを持てる人
フロントエンド開発では、デザインの微調整や読み込み速度の最適化など、細部へのこだわりが品質に直接影響します。
このような細かい要素に対するこだわりを維持できる人は、フロントエンドエンジニアとして成功する可能性が高いです。
フロントエンドエンジニアに向いていない人の特徴 4選
逆にフロントエンドエンジニアに向いていない人には、どのような特性があるのでしょうか。以下にその主な特点をご紹介します。
テクノロジーへの適応が苦手な人
先述の通り、フロントエンドの技術環境は、非常に速いペースで変化しています。
新しいフレームワークやツールが続々と登場するこの世界でストレスを感じる人は、他の職種が向いているかもしれません。
こういった方は、安定と持続性が求められる職種、例えばマネジメントや企画などが適しているかもしれません。
単独作業を好む人
フロントエンドエンジニアは、バックエンドエンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーなどと連携を取る必要があります。
そのため、チームでの協働が苦手であり、1人で作業したいという方にはフロントエンドエンジニアは残念ながら向いていません。
細かい作業が嫌いな人
フロントエンド開発は、しばしば細かい調整やデバッグが求められます。
例えば、クライアントやデザインと連携しながら、細かい UI まで調整することがあります。
そのため、細部に気を使う作業が苦手な人にはこの職種は合いません。
自主性が低い人
フロントエンドエンジニアは、特にスタートアップなどでは多くの業務を自分で決定して進めることが多いです。
そのため、自主性が低く、指示待ちでしか動けないような人にはこの職種は向いていません。
フロントエンドエンジニアの将来性・メリット
フロントエンドエンジニアリングは決して楽な仕事ではありませんが、多くのメリットと将来性もあります。
以下にその主要な点を 5 項目で詳しく説明します。
さまざまなキャリアパスを目指せる
フロントエンドエンジニアリングの一つの大きな魅力は、その多様なキャリアパスです。
一度基本的なウェブ開発のスキルを身につけると、他の専門領域への道も広がります。
例えば、UI/UXデザインの知識があれば、デザイナーとしても活動できますし、バックエンドの言語に習熟していれば、フルスタックエンジニアとしても働くことが可能です。
このようにフレキシビリティがあるので、一つの領域に縛られずに多方面で活躍できる可能性が高まります。
そしてこれは、様々な職種で求められるスキルセットを身につけられるという大きなメリットです。
需要が高く将来性がある
フロントエンドエンジニアの需要は年々増加しており、これは極めてポジティブな指標です。
特に、ReactやVueなどのモダンなフレームワークに精通している人は、多くの企業から熱視線を浴びるでしょう。
例として、新しいウェブアプリケーションが次々と生まれている現状では、これらのフレームワークを使いこなせるエンジニアが急募されるケースが多いです。
この高い需要とスキルセットによって、フロントエンドエンジニアの将来性は極めて高く、長期的なキャリアを築く上で安定した環境が期待できます。
スキル次第で独立ができる
フロントエンドエンジニアリングのスキルは、独立してフリーランスや個人事業主として働く道も広げてくれます。
具体的な例として、ウェブサイトやアプリケーションの開発をクライアントから直接受注することが考えられます。
また、自身でサービスやプロダクトを開発して販売することも可能です。
このような独立の道は、一定のスキルと経験が必要ですが、それによって得られるのは自分の時間を自由に使えるようになります。
初めてでも学習しやすい
フロントエンドの開発は、プログラミングの世界に足を踏み入れる人々にとって、非常にアクセスしやすい領域となっています。
その理由は、基本的なHTML、CSS、JavaScriptといった言語が比較的短期間で習得可能であるからです。
さらに具体的な例を挙げると、インターネット上にはこれらの言語を学ぶための無料教材や低料金のオンラインコースが豊富にあります。
これらの要素が合わさることで、プログラミング初心者やキャリアチェンジを考えている人たちにとって、フロントエンドエンジニア非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
ユーザーからの反応がすぐにわかるのでやりがいがある
フロントエンドエンジニアとして働く一つの大きな魅力は、自分の手がけたインターフェースに対するユーザーの反応が即座にわかる点です。
例えば、新しいボタンデザインを実装したとき、それがユーザーに受け入れられたかどうかのフィードバックは、通常、解析ツールやユーザーレビューを通じてすぐに得られます。
このように、早くフィードバックを受けられるため、自分の仕事が人々にどのような影響を与えているのかを明確に感じられ、高い達成感とやりがいを生む原動力となります。
フロントエンドエンジニアになるための学習ロードマップ
フロントエンドエンジニアとして楽しく働くためには多くのスキルや経験が必要です。
しかし、何からどの順番で勉強したらいいのか分からないかと思います。
そんな方は、以下の記事で紹介しているロードマップに沿って学習していただければ、フロントエンド開発の基礎を身に付けることができます。
しっかりとスキルを身につけ、フロントエンドエンジニアとして成功したい方は参考にしてみてください!