プログラミングスキルの証明や学習の指針として注目を集めているのが「プログラミング能力検定」です。
この記事では、プログラミング能力検定の概要や難易度、対策方法、メリットなどについて詳しく解説します。
プログラミング学習に取り組む方や、プログラミングスキルを客観的に測りたい方にとって参考になる情報をお届けします。
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プログラミング能力検定とは
プログラミング能力検定は、株式会社プログラミング総合研究所が運営する比較的新しい検定試験です。2020年2月に設立された同社が、プログラミングの基礎知識と概念への理解度を測るために開発しました。
この検定の特徴は以下の通りです:
- ビジュアルプログラミングとテキストプログラミングの両方を対象
- プログラミングの概念を体系的に問う内容
- レベル別に設計されており、初心者から上級者まで受験可能
- 2022年9月より毎月受験が可能
プログラミング能力検定は、単なるコーディング技術だけでなく、プログラミングの基本的な考え方や概念の理解度を測ることに重点を置いています。これにより、特定の言語に依存しない汎用的なプログラミング能力を評価することができます。
プログラミング能力検定の難易度
プログラミング能力検定は、受験者のスキルレベルに応じて複数のレベルが用意されています。2024年現在、以下のようなレベル構成になっています:
版 | レベル | 内容 |
---|---|---|
ビジュアル プログラミング版 | レベル1 | 初級 |
レベル2 | 中級 | |
レベル3 | 上級 | |
レベル4 | 最上級 | |
テキスト プログラミング版 | レベル1 | 入門 |
レベル2 | 初級 | |
レベル3 | 中級 | |
レベル4 | 上級 | |
レベル5 | 最上級 | |
レベル6 | 特級 |
各レベルでは、プログラムの動作確認や特定の動きを実現するためのコードに関する問題が出題されます。問題形式は、以下の2種類があります:
- 正しいコード(またはブロック)を選ぶ「選択式」
- 実際にコード(またはブロック)を組む「実装型」
難易度は段階的に上がっていくため、プログラミング初心者の方はビジュアルプログラミングのレベル1から始め、徐々にレベルアップしていくことをおすすめします。テキストプログラミングに慣れている方は、自分のスキルレベルに応じたテキストプログラミング版のレベルから挑戦するのが良いでしょう。
プログラミング能力検定の対策方法
プログラミング能力検定の対策には、以下のような方法があります:
1. 公式の過去問題集を活用する
プログラミング能力検定協会から公式の過去問題集が発売されています。これを活用することで、実際の試験問題の傾向や難易度を把握することができます。過去問を繰り返し解くことで、試験に慣れることができるでしょう。
2. ビジュアルプログラミングを学ぶ
ビジュアルプログラミング版の対策には、Scratchなどのビジュアルプログラミング言語を学ぶことが効果的です。以下のような教材やスクールがおすすめです:
- 「よくわかるScratch 3.0ではじめるプログラミング」(富士通エフ・オー・エム株式会社著)
- QUREOプログラミング教室(全国に多数の教室があります)
3. テキストプログラミング言語を学ぶ
テキストプログラミング版の対策には、JavaScript、Python、Javaのいずれかを学ぶ必要があります。オンラインの学習サイトやプログラミングスクールを活用するのが効果的です。以下のような方法があります:
オンライン学習サイト | Progate、ドットインストールなど |
オンラインプログラミングスクール | テックアカデミー、Codecampなど |
独学 | 書籍やUdemy等の動画教材 |
4. プログラミングの基本概念を理解する
プログラミング能力検定では、以下のようなプログラミングの基本概念の理解が重要です:
- 順次処理
- 条件分岐
- 繰り返し処理
- 変数
- 関数
- 配列
これらの概念をしっかりと理解し、実際にプログラムを書いて動作を確認することが大切です。
5. 模擬試験を受験する
プログラミング能力検定の公式サイトでは、無料の模擬試験を提供しています。実際の試験環境に近い形で問題を解くことができるので、試験の雰囲気に慣れるためにも活用しましょう。
プログラミング能力検定を受験するメリット
プログラミング能力検定を受験することには、以下のようなメリットがあります:
メリット | 説明 |
---|---|
大学入試対策になる | 2025年度から大学入学共通テストに「情報」が導入予定。この対策として役立つ。 |
詳細な成績表で学習課題が明確になる | プログラミングの基礎知識を細かく分解して評価。現在の実力と今後の課題が明確に。 |
学習のモチベーション維持につながる | 段階的なレベル設定により、着実にスキルアップを実感できる。 |
就職・転職に活用できる | プログラミングスキルを客観的に示す証明になる。特にIT業界への就職に有利。 |
プログラミング教育の指標として活用できる | 教育機関やプログラミングスクールで、生徒の学習進捗を測る指標として活用可能。 |
それでは、各メリットについて詳しく見ていきましょう。
1. 大学入試対策になる
2025年度から大学入学共通テストに「情報」が導入される予定です。プログラミング能力検定は、この「情報」科目に含まれるプログラミング分野の対策として役立ちます。高校生の方は、大学入試を見据えた準備として受験を検討するとよいでしょう。
2. 詳細な成績表で学習課題が明確になる
プログラミング能力検定では、合格・不合格だけでなく、プログラミングの基礎知識を細かく分解して評価する成績表が提供されます。これにより、現在の実力と今後の課題が明確になり、効率的な学習計画を立てることができます。
3. 学習のモチベーション維持につながる
検定試験の合格を目標にすることで、プログラミング学習のモチベーションを維持しやすくなります。段階的なレベル設定により、着実にスキルアップを実感できるのも大きな魅力です。
4. 就職・転職に活用できる
プログラミング能力検定の合格実績は、就職や転職の際にアピールポイントとなります。特にIT業界への就職を目指す方にとっては、自身のプログラミングスキルを客観的に示す証明になるでしょう。
5. プログラミング教育の指標として活用できる
教育機関やプログラミングスクールにとっては、生徒の学習進捗を測る指標としてプログラミング能力検定を活用できます。統一された基準で評価することで、効果的な指導計画の立案に役立ちます。
プログラミング能力検定の受験方法
プログラミング能力検定は、全国の認定会場で受験することができます。以下は受験に関する基本情報です:
受験料 | レベルによって異なりますが、3,000円〜10,000円程度です。 |
試験会場 | 全国2,000以上の認定会場(QUREOプログラミング教室など)で受験可能です。 |
試験頻度 | 毎月開催されています。 |
受験方法 | 各会場のパソコンやタブレットを使用してオンラインで受験します。 |
受験を希望する方は、プログラミング能力検定の公式サイトで最新の試験日程や申し込み方法を確認してください。
まとめ
プログラミング能力検定は、プログラミングスキルを客観的に評価できる有用な検定試験です。以下がこの記事のポイントです:
- ビジュアルプログラミングとテキストプログラミングの両方に対応
- レベル別に設計されており、初心者から上級者まで受験可能
- プログラミングの基本概念の理解度を測定
- 大学入試対策や就職・転職に活用できる
- 詳細な成績表で学習課題が明確になる
- 全国の認定会場で毎月受験可能
プログラミング学習に取り組んでいる方や、自身のスキルを客観的に評価したい方は、ぜひプログラミング能力検定の受験を検討してみてください。段階的なレベル設定により、着実にスキルアップを図ることができます。
また、教育機関やプログラミングスクールにとっても、生徒の学習進捗を測る指標として有用です。統一された基準で評価することで、効果的な指導計画の立案に役立ちます。
プログラミング能力検定を活用して、自身のプログラミングスキルを向上させ、将来のキャリアに活かしていきましょう。
よくある質問 (FAQ)
Q1: プログラミング能力検定は何歳から受験できますか?
A1: プログラミング能力検定には年齢制限はありません。小学生から社会人まで、どの年齢でも受験することができます。ただし、レベルによっては難易度が高くなるため、自分のスキルに合ったレベルを選択することが重要です。
Q2: テキストプログラミング版では、どのプログラミング言語が使用されますか?
A2: テキストプログラミング版では、JavaScript、Python、Javaの3つの言語から選択して受験することができます。受験の際に、使用する言語を選ぶことになります。
Q3: プログラミング能力検定の合格率はどのくらいですか?
A3: 合格率は公表されていませんが、レベルによって難易度が異なります。低いレベルほど合格率は高く、レベルが上がるにつれて合格率は下がると考えられます。しっかりと対策をすれば、合格は十分に可能です。
Q4: プログラミング能力検定の結果はいつわかりますか?
A4: 試験結果は通常、試験日から2週間程度で発表されます。合格者には電子版の合格証書が発行されます。
Q5: プログラミング能力検定は企業でも認知されていますか?
A5: プログラミング能力検定は比較的新しい資格ですが、徐々に認知度が高まっています。特にIT業界では、応募者のプログラミングスキルを客観的に評価する指標として注目されつつあります。ただし、企業によって評価は異なるため、就職・転職の際は他のスキルや経験と合わせてアピールすることが重要です。
プログラミング能力検定に関するさらに詳しい情報は、公式サイトを参照するか、各認定会場にお問い合わせください。自身のプログラミングスキル向上のため、ぜひチャレンジしてみてください。