フロントエンド開発で欠かせないJavaScriptフレームワーク。現在、最も人気が高いのがReact.js、Vue.js、Angularの3つです。
大手IT企業が開発に関わり、機能も豊富なため、多くの企業や開発者に採用されています。
しかし、初心者から中級者にとっては、AngularとReactの違いは何なのか、Vue.jsの特徴は何なのかなど、3つのフレームワークの違いがわかりにくいのが悩みどころ。
そこでこの記事では、React.js、Vue.js、Angularの3つについて、下記の6つの観点から詳しく比較解説していきます。
- 基本情報と背景
- コンポーネント指向
- データバインディング
- 学習難易度
- ユースケース
- パフォーマンス
3大フレームワークを徹底的に比べることで、それぞれの特性や適したシーンが見えてくるはずです。
この記事を読めば、自分のプロジェクトに最適なフレームワーク選びが可能になります!ぜひ最後までご覧ください。
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AngularJSとReactJSの違いは?Vue.jsはどう違うの?
まず、各フレームワークの基本情報を比較してみましょう。
開発元や登場した背景を知ることで、設計思想の違いが見えてきます。
フレームワーク | 開発元 | リリース年 |
---|---|---|
AngularJS | 2010年 | |
React | 2013年 | |
Vue.js | 個人 | 2014年 |
AngularJSはGoogleが開発したフレームワークで、Webアプリケーションの構築に必要な機能を幅広くカバーしているのが特徴です。双方向データバインディングの採用など、他とは一線を画した設計です。
ReactはFacebookが開発したライブラリで、UIに特化したシンプルな作りが魅力。パフォーマンスに優れ、モバイルアプリの開発にも利用されています。
対してVue.jsは個人開発者によるオープンソースのフレームワーク。Angularの双方向バインディングとReactの単方向フローを組み合わせた、使いやすさが売りです。学習コストが低いのも大きな特徴。
3フレームワークのコンポーネント指向を比較!
3つのフレームワークに共通するのが、コンポーネント指向のアーキテクチャを採用している点です。
コンポーネントとはUIの部品のこと。1つ1つのコンポーネントを組み合わせて完成品を作る構成は、保守性や再利用性に優れるのが魅力です。
Framework | Component |
---|---|
React |
JSXという拡張構文を使用 1つのファイルにHTML・CSS・JSを記述 |
Vue.js |
単一ファイルコンポーネントを採用 HTML・CSS・JSを1つのファイルに Angularと比べシンプルな構成 |
Angular | HTML・CSS・TypeScriptを別ファイルに コンポーネント間の連携が強力 |
Reactはコンポーネントの記述にJSXと呼ばれる独自の構文を使います。
一方、VueではHTML・CSS・JSを1つのファイルに記述する単一ファイルコンポーネントを採用。
コンポーネント志向という点では共通していますが、それぞれ思想の違いが見られるのが面白いですね。
データバインディングの違いが大きい!
3つのフレームワークでもっとも大きな違いが表れるのが、データバインディングの仕組みです。
データバインディングとは、データの変更をUIに自動反映させる機能のこと。
この部分の設計が、パフォーマンスや記述量に影響します。
Framework | データバインディング方式 |
---|---|
React |
単方向バインディング 常にデータ→ビューへ一方通行 |
Vue.js | 双方向バインディング データとUIの変更が双方に反映 一部で単方向フローも選択可能 |
Angular |
双方向バインディング データとUIが常に同期 |
Angular・Vueが採用しているのが双方向バインディングです。
データとUIの変更がリアルタイムに反映される分、パフォーマンスのオーバーヘッドが課題になります。
対してReactは単方向バインディングのみをサポート。データの流れが一方向なので、シンプルで効率的な設計が可能です。
学習コストと難易度を比較!
次に気になるのが、学習のしやすさですよね。3つのフレームワークを学習コストの観点で比較してみましょう。
学習コスト | 難易度 | |
---|---|---|
React |
ライブラリがシンプル JSXの学習コストはやや高め | |
Vue.js |
HTML・CSS・JSの知識があれば習得しやすい 日本語のドキュメントが豊富 | |
Angular | 機能が多岐にわたるため習得が大変 |
学習コストが一番低いのがVue.jsです。公式ドキュメントの充実度が高く、日本語情報も豊富なので初心者に優しいです。
次いで学習しやすいのがReact。本体のライブラリ自体はシンプルですが、JSXという独自の構文を覚える必要があります。
Angularは機能が多岐にわたり、TypeScriptの知識も必要なので、学習難易度は高めです。
その分、大規模開発に耐えうる設計になっています。
用途に合わせてフレームワークを選ぼう
ここまで見てきたように、React・Vue・Angularにはそれぞれ得意な領域があります。プロジェクトの特性に合わせて、適したフレームワークを選ぶことが重要です。
Framework | おすすめのユースケース |
---|---|
React |
パフォーマンス重視のアプリ開発 モバイルアプリとの連携 大規模なSPA開発 |
Vue.js |
小〜中規模のWebアプリ開発 既存プロジェクトへの部分的な導入 学習コストを抑えたい場合 |
Angular |
複雑で大規模なWebアプリ開発 TypeScriptでの開発が前提の場合 |
パフォーマンス重視の複雑なアプリならReact、習得しやすさ重視なら Vue.js、TypeScriptでの大規模開発ならAngular、といった具合です。
チームメンバーのスキルセットなども考慮しつつ、プロジェクトにフィットするフレームワークを見極めましょう。
パフォーマンス比較!ベンチマークを見てみよう
最後に、各フレームワークのパフォーマンスについても触れておきます。
「js-framework-benchmark」の最新結果を見ると、Reactが他を圧倒するパフォーマンスを示しています。Vueも健闘していますが、Angularはやや劣後しているようです。
React | |
Vue.js | |
Angular |
ただし、ベンチマークはあくまで参考値。実際のアプリではチューニング次第で結果は変わります。フレームワーク選定の判断材料の1つと考えておきましょう。
まとめ
React・Vue・Angularの3大フレームワークについて、基本情報から機能、学習コスト、適したユースケースまで幅広く比較してきました。
個人的には「求人数」「技術トレンド」の観点から React を一番おすすめしています。
しかし、学習コストの観点では Vue.js に劣るため、「最強!」と言い切れるフレームワークはありません。
プロジェクトの要件や、チームの技術力に合わせて柔軟に選定するのが賢明です。
どのフレームワークを選ぶにせよ、土台となるJavaScriptとTypeScriptのスキルは必須
フレームワークに頼りきるのではなく、基礎力をしっかり身につけておくことが何より大切だと言えます。
この記事が、皆さんのフレームワーク選定の一助になれば幸いです。
実際のプロジェクトで判断に迷ったら、ぜひ参考にしてみてください。
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