Next.js とは
Next.js は、React フレームワークを基盤とした、高機能なウェブ開発フレームワークです。
このフレームワークは、一般的な React のアプリケーションよりも高度な処理や機能を簡単に実装できるよう設計されています。
たとえば、Next.js は静的サイト生成(SSG)、サーバーサイドレンダリング(SSR)、そしてサーバーレスアーキテクチャといった機能を備えています。
これにより、ウェブサイトやウェブアプリケーションの開発が非常に効率的かつ効果的に行えます。
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Next.js の概要
Next.js とは
Next.js は、React フレームワークを拡張したものであり、React の基礎となる考え方や使い方を継承しつつ、その上で新たな機能と拡張性を提供しています。
Next.js は、業界でも幅広く採用されており、例としてメルカリ、Netflix、Uber などの大手企業でも使用されています。
これは Next.js が実用性と柔軟性を兼ね備えた、非常に信頼性の高いフレームワークである証拠です。
Next.js の特徴
Next.js が持つ特徴は多岐にわたりますが、その主な要点をいくつか挙げてみましょう。
静的サイトジェネレーション(SSG)
Next.js には静的サイトジェネレーションの機能が組み込まれています。
これにより、ページの内容が頻繁に変わらない場合やSEOを重視する必要がある場合に有用です。
静的なページを事前に生成することで、サーバーへの負荷を軽減し、ページの読み込み速度を高速化できます。
サーバーサイドレンダリング(SSR)
Next.js はサーバーサイドレンダリングもサポートしています。
これは、ページがリクエストされるたびにサーバー側でHTMLを生成し、クライアントに送信する方法です。
これにより、動的な内容を効率良くユーザーに提供できます。
サーバーレスアーキテクチャ
Next.js は、サーバーレスアーキテクチャを容易に実装できるよう設計されています。
これにより、インフラの管理が簡単になり、スケーラビリティも向上します。
パフォーマンス
Next.js は、最適なパフォーマンスを出せるように多くの最適化が施されています。
例えば、コード分割や遅延読み込み、画像の最適化などが自動で行われます。
拡張性
Next.js は非常に拡張性が高く、多くのプラグインやモジュールが利用可能です。
これにより、特定の機能を独自に追加したり、既存の機能をカスタマイズすることが容易になります。
開発効率
開発者にとっても非常に扱いやすいフレームワークです。
ホットリロード、ビルトインの TypeScript サポート、独自のAPIルートの提供など、開発をスムーズに進める多くの機能が備わっています。
以上のように、Next.js はその多機能性と高度な拡張性で、様々なウェブ開発ニーズに応えることができる非常に優れたフレームワークです。
Next.js と React の違い
React とは
React は、Facebook によって開発されたJavaScript ライブラリであり、主にウェブページのユーザーインターフェース(UI)を作成するために使われます。
React の主な目的は、開発者が効率的に高品質なUIを構築できるように支援することです。
React の特徴
コンポーネントベースの設計
React の最大の特長は、UIを「コンポーネント」という小さな部品に分割して考えることができる点です。
このコンポーネント設計がもたらす再利用性と維持性は、大規模なアプリケーション開発において非常に価値があります。
データバインディングと状態管理
React はデータとUIの連携が非常に強いです。
データバインディングとは、データの変更をUIに即座に反映させる技術です。
ここでの「状態」とは、アプリケーションの現在の情報や状況を指します。
この状態が変わると、React はそれに応じてUIも自動的に更新します。
仮想 DOM
React は、「仮想 DOM」というメモリ内の軽量なDOM構造を用いて、実際のDOMの更新を効率よく行います。
これにより、特に多くのユーザーインタラクションがある動的なアプリケーションでも、高速に動作します。
React のデメリット
パフォーマンス
React 単体での大規模なアプリケーション開発には限界があり、特定の状況下ではパフォーマンスが落ちる可能性があります。
特にサーバーとの通信が多い場合や、高度なアニメーションが必要な場合にこの問題が顕著です。
拡張性
React は柔軟なライブラリであるため、開発者に多くの選択肢を与えます。
しかし、この柔軟性が仇となり、プロジェクトが大規模になると管理が難しくなる場合があります。
開発効率
React では多くの設定やボイラープレート(定型的なコードや設定)が必要な場合があり、これが開発のスピードを遅らせる要因になることがあります。
React と比べた Next.js のメリット
Next.js は React を基盤としつつ、いくつかの重要な機能と設定が追加されています。
パフォーマンスの向上
Next.js はサーバーサイドレンダリング(SSR)や静的サイト生成(SSG)を簡単に導入できるよう設計されています。
これにより、初回ページロード時のパフォーマンスが大幅に向上します。
拡張性の向上
Next.js は豊富なプラグインやコミュニティサポートがあります。
これにより、特定の機能を追加或いは調整することが比較的容易です。
開発効率の向上
Next.js はルーティング、APIエンドポイントの設定、状態管理といった多くの機能があらかじめ組み込まれています。
これにより、開発者は基本的な設定を気にすることなく、より高度な機能の開発に集中できます。
以上のように、Next.js は React の持つ多くの特性を引き継ぎつつ、新たな価値を追加しています。
これによって、開発者はより高度で効率的なウェブアプリケーションを構築できるようになります。
Next.js のインストールと基本的な使い方
Next.js のインストール
Next.js の世界に入る第一歩は、当然ながらインストールです。
Node.js のパッケージマネージャである npm
を使用して、以下のコマンドを実行することで、Next.js がグローバル環境にインストールされます。
npm install -g next
このコマンドにより、どのディレクトリからでも next
コマンドを使えるようになります。
これが終われば、あなたのマシンは Next.js の開発に対応した状態になります。
ページの作成
Next.js のプロジェクトを始めるには、新しいプロジェクトを作成する必要があります。
以下のコマンドを使うと、my-app
という名前の新しいプロジェクトディレクトリが作成されます。
npx create-next-app my-app
このコマンドを実行すると、多くの依存ファイルや設定ファイルが自動的に生成されます。
この瞬間から、my-app
ディレクトリは Next.js の基本的な設定やファイル構造を持つ、動作可能なプロジェクトとなります。
※
最新の Next.js では App Router という仕組みを使うと pages
ではなく app
というディレクトリでページを管理できるようになりました。
しかし、書籍や記事などの多くの情報は App Router が導入される前のものです。
見比べたときに混乱しないように、本書では pages
ディレクトリを使って説明していきます。
ルーティング
Next.js は、ページベースのルーティングシステムを採用しています。
これは pages
ディレクトリ内にJavaScriptまたはTypeScriptファイルを作成するだけで、新しいルート(ページ)が自動的に作成されるという仕組みです。
例えば、pages
ディレクトリに index.js
ファイルを作成し、その中に以下のようなコードを書くことで、ルートURL(/
)にアクセスしたときの表示内容を定義できます。
export default function Home() {
return <h1>Hello, world!</h1>;
}
データの取得と処理
Next.js は、APIからデータを非同期に取得したり、データベースにアクセスしたりする際にも強力です。
以下の例では、外部APIからユーザーデータを非同期に取得して表示するシンプルなページを作成しています。
import fetch from 'node-fetch';
export default function Home() {
const [users, setUsers] = useState([]);
useEffect(() => {
const fetchData = async () => {
const response = await fetch("https://example.com/api/users");
const data = await response.json();
setUsers(data);
};
fetchData();
}, []);
return (
<ul>
{users.map((user) => (
<li key={user.id}>{user.name}</li>
))}
</ul>
);
}
コンポーネントの作成
Next.js でも、React と同様にコンポーネントを作成して再利用することが可能です。
コンポーネントは、UIの一部を独立したモジュールとして切り出す手法で、再利用性とメンテナンス性が向上します。
以下の例では、汎用的な Button
コンポーネントを作成し、それをページで使用しています。
export default function Button({ children }) {
return <button>{children}</button>;
}
// pages/index.js
import Button from '../components/Button';
export default function Home() {
return (
<div>
<Button>Click me!</Button>
</div>
);
}
このようにして、Next.js では独自のコンポーネントを作成し、それをプロジェクト内のいろいろな場所で繰り返し利用することができます。
Next.js のインストールと基本的な使い方
Next.js のインストール
Next.jsを使い始める最初のステップは、ライブラリ自体をインストールすることです。
次のコマンドを実行すると、Next.jsがグローバルにインストールされます。
npm install -g next
ページの作成
Next.jsプロジェクトを新規作成するには、next create
コマンドを使用します。
このコマンドを実行すると、my-app
という名前の新しいプロジェクトが作成され、その中に必要なファイルとディレクトリが自動で生成されます。
next create my-app
もしくは、npx
コマンドを使って以下のように実行することもできます。
npx create-next-app my-app
ルーティング
Next.jsの美点の一つは、そのシンプルなルーティングです。
pages
ディレクトリにJavaScriptファイルを追加するだけで、自動的に新しいルートが作成されます。
例えば、about.js
ファイルをpages
ディレクトリに追加すると、/about
というURLが自動的に設定されます。
pages/
├── about.js
└── index.js
このようにして、複雑なルーティング設定をすることなく、簡単にページを追加できます。
データの取得と処理
Next.jsは、サーバーサイドでもクライアントサイドでもデータの取得が容易です。
fetch
関数を使って外部APIからデータを取得する基本的な例を以下に示します。
import fetch from 'fetch';
export default function Home() {
const data = await fetch("https://example.com/api/data");
const items = await data.json();
return (
<div>
{items.map((item) => (
<p key={item.id}>{item.name}</p>
))}
</div>
);
}
このコードでは、外部APIからJSON形式のデータを取得し、それをページに表示しています。
コンポーネントの作成
Next.jsではReactのコンポーネントを使ってUIを構築します。
components
ディレクトリを作成し、その中に再利用可能なコンポーネントを格納するのが一般的です。
my-app/
├── components/
│ └── Button.js
├── pages/
│ ├── about.js
│ └── index.js
└── package.json
たとえば、Button.js
という名前のコンポーネントファイルを作成すると、このコンポーネントは他のページで簡単に再利用できます。
Next.js のメリットとデメリット
Next.js のメリット
Next.jsの最大の利点の一つは、パフォーマンスの向上です。
サーバーサイドレンダリング(SSR)や静的サイト生成(SSG)のようなレンダリング戦略を採用することで、ユーザーにより速くページを提供することができます。
これは特にSEOにおいて重要です。
次に、拡張性です。
Next.jsは多くのプラグインやミドルウェアのエコシステムに対応しており、カスタム設定や拡張が容易です。
これによって、機能を後から追加したり、プロジェクトに特有の要件に対応することが容易になります。
最後に、開発効率の向上も大きなメリットです。
例えば、Next.jsはファイルベースのルーティングを採用しており、新しいページを追加する際には単にpages
ディレクトリにファイルを追加するだけで、自動的にルーティングが行われます。
プロジェクト/
├── pages/
│ ├── index.js
│ └── about.js
...
例えば上記の例だと、/
と/about
というURLが自動的に設定されます。
(React だと、このようなルーティング設定を別途行う必要があります。)
このような機能によって、開発者は煩雑な設定や手続きを省くことができ、コーディングに専念できます。
Next.js のデメリット
一方で、Next.jsにはいくつかのデメリットも存在します。
最もよく指摘されるのは、学習コストです。
Next.jsはReactの上に構築されており、React自体の学習が必要であること、加えてNext.js独自のAPIや設定も理解する必要があるため、初心者にはややハードルが高いかもしれません。
また、設定が複雑になる場合があります。
Next.jsは多くの先進的な機能を提供していますが、それらの機能をフルに活用するには、独自の設定や調整が必要な場合があります。
例えば、状態管理のためにReduxを導入する場面では、その設定が少々煩雑になる可能性があります。
まとめ
以下に、締めの文章案を作成しました。
Next.jsは、Reactの上に構築された、高機能なWeb開発フレームワークです。
静的サイトジェネレーション(SSG)、サーバーサイドレンダリング(SSR)、そしてサーバーレスアーキテクチャといった機能を備えており、ウェブサイトやウェブアプリケーションの開発を効率的かつ効果的に行うことができます。
本記事では、Next.jsの概要、特徴、インストールと基本的な使い方、メリットとデメリットについて解説しました。
Next.jsの良さを実感した読者の中には、ぜひ学習を開始してみたいと思った方も多いのではないでしょうか。
Next.jsの学習には、Reactの学習が前提となります。
Reactの学習方法は、公式ドキュメントを読む、チュートリアルを利用する、オンラインコースを受講するなど、さまざまな方法があります。
自分に合った方法で学習を進め、Next.jsを使いこなせるようになりましょう。
Next.jsは、Web開発の新たな可能性を切り拓くフレームワークです。
Next.jsを学ぶことで、より高度で効率的なWeb開発を実現することができます。
ぜひ、Next.jsの学習にチャレンジしてみてください。
Next.js を学ぶ方に向けたロードマップ
Next.js を使えるようになるには React はもちろん、JavaScript の基礎や HTML、CSS などのウェブ技術の知識が必要です。
以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
