エンジニアになるためには、何時間の学習が必要なのでしょうか?そして、どのように学ぶべきなのでしょうか?
エンジニアとしてスキルアップするためには、これらの質問に対する明確な答えを持つことが重要です。
本記事では、エンジニアに必要なスキル、エンジニアになるための平均勉強時間、プログラミング言語やフレームワーク別の勉強時間、効率的な学習方法。
そしてエンジニアになるための勉強ロードマップについて解説します。
- 現役のフルスタックエンジニアとして活躍中
- 開発チームリーダーとして複数プロジェクトをリード
- 副業プログラミングスクール講師として数百名以上を指導してきた教育のプロ
- プログラミングスクールのカリキュラム執筆経験あり
1. エンジニアに必要なスキルとは?- エンジニア種別別のスキルセット
エンジニアになるためには、それぞれのエンジニア種別ごとに必要なスキルセットを理解することが重要です。
以下に、主要なエンジニア種別とそれぞれのスキルについて説明します。
1.1 フロントエンドエンジニアのスキル
フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接触れるWebサイトやアプリケーションの開発を担当します。
主なスキルとしては、HTML、CSS、JavaScriptなどがあります。
さらに、フレームワークやライブラリの知識も求められます。
1.2 バックエンドエンジニアのスキル
バックエンドエンジニアは、サーバーサイドの開発を担当します。
データベースの設計やAPIの開発など、サーバーサイドの処理に関するスキルが求められます。
主なプログラミング言語としては、Java、Python、Rubyなどがあります。
1.3 フルスタックエンジニアのスキル
フルスタックエンジニアは、フロントエンドとバックエンドの両方の開発に携わることができるエンジニアです。
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの両方のスキルセットを持つ必要があります。
1.4 その他共通のスキル
エンジニアになるためには、プログラミングの基礎知識やデータ構造、アルゴリズムなどの共通スキルも重要です。
これらのスキルを習得することで、さまざまなエンジニアリングの分野で活躍することができます。
必要なスキルについては、こちらの記事もおすすめです!
2. エンジニアになるための平均勉強時間 – 初心者からプロフェッショナルまでの時間目安
エンジニアになるための平均勉強時間は、初心者からプロフェッショナルまでの段階によって異なります。
また、学ぶプログラミング言語やフレームワークによっても異なります。
詳しい内容は次の章で説明しますが、私が学んできた経験をもとにまずは「基礎レベル」「応用レベル」それぞれの段階になるまでの勉強時間の目安を先にご紹介します。
以下の表では、各プログラミング言語やフレームワークごとに
- 基礎レベル(基本的な内容を習得するまで)
- 応用レベル(実務には必須となる高度なトピック)
を学ぶまでの学習時間の目安を示しています。
※1日あたりの勉強時間は平日で1~2時間、休日は2~3時間の想定です。
また、独学を想定しているため、プログラミングスクールや MENTA でのサポートを受ければより短縮できるでしょう。
人気プログラミング言語の学習時間
プログラミング言語 | ゼロから基礎レベル | ゼロから応用レベル |
---|---|---|
HTML/CSS | 1〜2ヶ月 | 3~4ヶ月 |
JavaScript | 2ヶ月 | 5ヶ月 |
Ruby | 1~2ヶ月 | 2〜4ヶ月 |
Python | 1〜2ヶ月 | 4〜6ヶ月 |
人気フレームワークの学習時間
フレームワーク | ゼロから基礎レベル | ゼロから応用レベル |
---|---|---|
React | 2~3ヶ月 | 6〜8ヶ月 |
Vue.js | 2ヶ月 | 5〜6ヶ月 |
Ruby on Rails | 2~3ヶ月 | 4〜6ヶ月 |
Django | 2~3ヶ月 | 6〜8ヶ月 |
人気プログラミング言語+フレームワークのロードマップ学習時間
ロードマップ | ゼロから基礎レベル | ゼロから応用レベル |
---|---|---|
HTML/CSS → JavaScript → React | 5~7ヶ月 | 14〜17ヶ月 |
HTML/CSS → JavaScript → Vue.js | 5~6ヶ月 | 13〜15ヶ月 |
HTML/CSS → Ruby → Ruby on Rails | 4〜7ヶ月 | 12〜14ヶ月 |
HTML/CSS → Python → Django | 4〜7ヶ月 | 13〜18ヶ月 |
2.1 ゼロから初心者になるまでの勉強時間
前の章でご紹介した中で、初心者が何らかのアプリを作る上で最短のロードマップは HTML/CSS → Ruby → Ruby on Rails でした。
その場合、最短であればどんなに短くても 4ヶ月は必要であることが分かります。
この期間にはしっかりとプログラミングの基礎から学ぶことが重要です。
後述するオンラインの教材や書籍、動画などを活用しながら、基本的なプログラミング言語や開発環境の使い方を学びましょう。
2.2 初心者から実務レベルになるまでの勉強時間
初心者から実務レベルのエンジニアになるためには、同じく HTML/CSS → Ruby → Ruby on Rails のロードマップでも短くて約12ヶ月、つまり 1年の学習期間が必要です。
この期間では知識を学ぶだけでなく、オリジナルのアプリやポートフォリオ制作に取り組みながら実践的なスキルを身につけることが重要です。
実践的な開発経験を積むことで、エンジニアとしての知識やスキルをさらに高めることができます。
3. プログラミング言語別の勉強時間 – 基礎習得から実務レベルまでの目安
先に各プログラミング言語・フレームワーク別の勉強時間をお伝えしました。
ここからは「どういった内容を学ぶ必要があるのか?」「基礎レベルと応用レベルの違いとは?」について見ていきたいと思います。
3.1 HTML/CSSの勉強時間
HTML/CSSの基礎的な文法やタグの使い方を学ぶのには約1〜2ヶ月程度が目安です。
この期間で以下の2点を学び、基本的なWebページの作成やスタイリングができるレベルにはなるでしょう。
- HTMLタグの基本的な構文や属性の理解
- CSSの基本的なプロパティやセレクタの使い方
しかし、実際のプロジェクトに参画するためには、さらなる実践経験が必要です。
例えば実務では必要な以下の内容も知識も身につけるとなると、追加で 2ヶ月は必要になります。
- レイアウトの作成やスタイリングの実践
- レスポンシブデザインの基本原則の理解
- ブラウザ互換性への対応
そのため、シンプルな Web サイトの制作ができるようになるまでには合計で約 3~4 ヶ月を目安にしておきましょう
3.2 JavaScriptの勉強時間
JavaScriptの基礎文法や制御構造、関数などを学ぶのには、約2ヶ月程度が目安です。
- 変数、データ型、演算子などの基本的な概念
- 制御構造(条件分岐、ループ)の使い方
- 配列やオブジェクトの操作とデータの処理
- 関数の定義と使用法
この期間があれば、基本的なJavaScriptのプログラムは作成できるようになります。
しかし、実際のプロジェクトでは以下のような内容も学ぶ必要があり、JavaScript は特に「基礎」と「応用」の差が大きいため、この点も実践レベルまで引き上げるには苦労するはずです。
- DOM操作やイベント処理の基礎
- 非同期処理とコールバック、Promise、Async/Awaitの理解
- モジュールやライブラリの使用方法
これらは広く深いため、追加で3ヶ月程度の学習期間は必要となります。
また、さらに React や Vue.js などのフレームワークを学ぶ場合には JavaScript の深い知識が必要になるため、ここでしっかり身につけておく必要があります。
3.3 Rubyの勉強時間
Rubyの基礎的な文法を学ぶのには、約1~2ヶ月が目安です。
- Rubyの基本的な構文
- 変数の定義と使用法
- 制御構造(条件分岐、ループ)の使い方
- 配列やハッシュの操作とデータの処理
Ruby は初学者でも学びやすく、比較的簡単な言語であるため、早い段階からプログラムを書ける必要になるはずです。
また、実務では必要な知識としては以下のようなものがありますが 1~2 ヶ月程度で済むと思われます。
- 関数、メソッド
- クラスとオブジェクトの使い方
ただし、実際のプロジェクトに参画するためには、フレームワーク(例:Ruby on Rails)の学習や実践的な開発経験が必要です。
3.4 Pythonの勉強時間
Pythonの基礎文法やデータ構造を学ぶのには、約1〜2ヶ月程度が目安です。
- Pythonの基本的な構文とデータ型の理解
- 制御構造(条件分岐、ループ)の使い方
- 関数やクラスの定義と使用法
Pythonも基礎レベルを学ぶ上ではハードルが低い言語であるため、早ければ 1ヶ月もあればある程度のプログラムを書けるようになるでしょう。
しかし、実際のプロジェクトに参画するためには、応用分野(例:データ分析、Web開発)に合わせたライブラリやフレームワーク(例:Django)の学習も必要です。
フレームワーク以外でも必須となる内容としては以下の通りですが、Python はライブラリが豊富であるため、これらの基礎を学ぶだけでも追加で最低 3~4 ヶ月は必要と思っておきましょう。
- ファイル操作やデータ処理の基本
- モジュールの使用と外部ライブラリの導入
- 応用分野におけるライブラリ(例: NumPy, Pandas, TensorFlow)の学習
4. 人気フレームワーク別の勉強時間 – 基礎習得から実務レベルまでの目安
フレームワークは、開発効率を上げるためのツールです。
以下では、フロントエンド・バックエンドそれぞれで人気のあるフレームワークごとに、基礎習得から実務レベルまでの勉強時間の目安を私が学んできた経験をもとにご紹介します。
4.1 Reactの勉強時間
Reactの基礎的な概念やコンポーネントの使い方を学ぶのには、約2~3ヶ程度が目安です。
- JSXの文法とコンポーネントの作成
- 状態管理(State)とイベントハンドリング
この期間でReactを使用したシンプルなアプリケーションを作成できるようになります。
しかし、実際のプロジェクトに参画するためには、さらに高度な状態管理(ReduxやContext API)やルーティング(React Router)など、より高度な機能の学習が必要です。
- ルーティング(React Router)の導入と使い方
- コンポーネントのライフサイクルとHooksの使用
- 非同期処理とAPIの連携(例: Fetch, Axios)
- テストの基礎とユニットテストの実践
これらについては追加で 4~5 ヶ月は最低でもかかるでしょう。
React は近年では人気のフレームワークですが後述する Vue.js に比べると難易度が高めです。
それでも使っている企業・案件も多く、活躍の場が広がるため、フロントエンドもできる Web エンジニアとして成長するためには是非とも学んでおきたいフレームワークの一つです。
4.2 Vue.jsの勉強時間
Vue.jsの基礎的な構文やディレクティブの使い方を学ぶのには、約2ヶ月程度が目安です。
- Vueコンポーネントの作成
- データバインディング
- コンポーネント間の通信(props, events)
Vue.jsは比較的、初心者向けのフレームワークであるため、この期間でVue.jsを使用したシンプルなアプリケーションを作成できるようになります。
ただし、実際のプロジェクトに参画するためには、状態管理(Vuex)やルーティング(Vue Router)などの拡張機能の学習も必要です。
- 状態管理(Vuex)とルーティング(Vue Router)の導入
- フォーム処理とバリデーションの基礎
- アニメーションの追加とトランジションの使用
- 単体テストとコンポーネントテストの実践
これらについては追加で 3~4 ヶ月は必要となります。
4.3 Ruby on Railsの勉強時間
Ruby on Railsの基礎的な概念やMVCアーキテクチャを学ぶのには、約2~3ヶ月程度が目安です。
- モデル、ビュー、コントローラ(MVC)の理解と作成
- Active Recordを使ったデータベース操作
- フォーム作成とバリデーションの実装
この期間でシンプルなWebアプリケーションを作成できるようになります。
しかし実際のプロジェクトに参画するためには、API、ユーザー認証、テストフレームワーク(RSpec)などの実践的なスキルの学習も必要です。
- ルーティングの設定とRESTfulなAPIの作成
- セキュリティ対策と認証/認可の導入
- テストフレームワーク(RSpec)によるテストの実践
ただ、Ruby on Rails はルールに従った書き方をすれば簡単に高機能なアプリを作れるようになっており、これら高度なトピックを学ぶにしても学習期間の追加は 2~3 ヶ月程度で済むかと思います。
そのため、個人的には初学者の方には Ruby on Rails でエンジニアを目指すのがおすすめです。
実際、私も Ruby on Rails を習得してエンジニア転職に成功しました。
4.4 Djangoの勉強時間
Djangoの基礎的な概念やURLのルーティング、ビューの作成などを学ぶのには、約2~3ヶ月程度が目安です。
- URLディスパッチャとビューの作成
- モデルの作成とデータベースの操作
- フォーム処理とバリデーションの基礎
- テンプレートエンジンの使用とテンプレートの作成
この期間でシンプルなWebアプリケーションを作成できるようになります。ただし、実際のプロジェクトに参画するためには、ORM(Object-Relational Mapping)やセキュリティ対策など、より高度なトピックの学習も必要です。
- ORMによる複雑なデータベース操作
- セキュリティ対策と認証/認可の実装
- 単体テストと統合テストの実践
Django はシンプルなアプリを作るだけであれば割と簡単な方ではありますが、実践的な知識を身につけるには少し苦労しますので最低でも追加で4~4ヶ月の学習時間は必要でしょう。
5. どうやって効率的に学習するか? – 独学とスクール、どちらが良い?
エンジニアリングの学習には、独学とスクールの両方の方法があります。
それぞれのメリットとデメリットを理解し、自分に合った方法を選びましょう。
5.1 独学で学ぶメリットとデメリット
独学で学ぶメリットは、自分のペースで学習できることや自由度の高さです。
オンラインの教材や書籍、動画などを活用しながら、自分の興味や目標に合わせて学ぶことができます。
しかし、モチベーションの維持や質の高い情報の選別が難しいというデメリットもあります。
未経験から独学で学習したい、という方はこちらの記事もおすすめです!
5.2 スクールで学ぶメリットとデメリット
スクールで学ぶメリットは、専門の講師から直接指導を受けられることや、仲間との学習コミュニティがあることです。
また、カリキュラムや教材が整備されているため、学習の方向性を迷うことが少なくなります。
ただし、時間や費用の面で制約がある場合があります。
5.3 独学とスクール、どちらが良い?
独学かスクールかは、個人の学習スタイルや状況によって異なります。
独学の場合は、自己管理能力とモチベーションの維持が重要です。
スクールの場合は、集中的な学習と専門の指導を受けることができます。
自分の目標や予算、時間に合わせて選択しましょう。
最近ですと MENTA という、スクールに比べると低料金でエンジニアからサポートを受けられるようなサービスもありますので、予算が厳しい方は活用いただくことをおすすめします。
※私も Ruby on Rails や React、Vue.js のメンターをやっています。
6. 独学で学ぶための勉強法 – どうやって学習するか?
独学でエンジニアリングを学ぶためには、効果的な勉強法を取り入れることが重要です。
以下では、独学のための勉強法の一例をご紹介します。
6.1 書籍を使った勉強法
エンジニアリングの書籍は、基礎知識や実践的な技術について詳しく解説されています。
自分の学習レベルや興味に合わせた書籍を選び、積極的に読み進めましょう。
また、実際にコードを書きながら学ぶことも重要です。
6.2 動画を使った勉強法
オンラインの動画教材は、視覚的な情報伝達が得意な学習方法です。
YouTubeやUdemy(オンライン学習プラットフォーム)などで、プログラミングの基礎や実践的なテクニックを学ぶことができます。
手を動かしながら実際にコーディングを進めると効果的です。
特に Udemy は質の高い学習リソースが多く、体系的に言語やフレームワークを学ぶにあたってはおすすめです。
6.3 オンライン学習サービスを使った勉強法
オンライン学習サービスは、幅広いプログラミングコースを提供しています。
自分の学習目標に合わせたコースを選び、体系的に学習を進めることができます。
進捗管理やフィードバック機能も利用できるため、学習のモチベーションを高めることができます。
6.4 自作アプリを作る勉強法
実践的な学習を進めるためには、自分でアプリケーションを作成することがおすすめです。
小さなプロジェクトから始めて、徐々に難易度を上げていきましょう。
問題やエラーに直面しながら解決策を見つけることで、より実践的なスキルを身につけることができます。
7. 最短でエンジニアになるための学習ガイド
最短でエンジニアになるためには、効率的な学習スケジュールと進捗管理が重要です。
以下では、最短でエンジニアになるための学習ガイドの一例をご紹介します。
7.1 習得すべき技術とその順番
まずは、習得すべき技術を整理しましょう。
自分が目指すエンジニアの道に応じて、必要なプログラミング言語やフレームワーク、データ構造などを洗い出しましょう。
その後、基礎的な技術から順番に学習していくことをおすすめします。
7.2 毎日の学習スケジュールの作り方
毎日の学習スケジュールを作ることで、継続的な学習を維持しやすくなります。
自分の生活リズムに合わせて、固定した学習時間を設けましょう。
また、学習の目標やタスクを明確にし、進捗を管理することも重要です。
7.3 学習の進捗管理とモチベーションの維持
学習の進捗管理は、自分の成長を可視化するために重要です。
定期的に目標の達成度や学習の成果を振り返り、モチベーションを高めましょう。
また、学習につまづいたりモチベーションが下がったりした場合は、コミュニティや学習仲間との交流を通じて支え合うことも有効です。
まとめ
エンジニアになるためには時間と労力が必要ですが、効率的な学習法と適切なロードマップを持つことで、より速くスキルアップすることが可能です。
本記事で紹介した方法を活用しながら効果的に学習を進め、1日でも早くエンジニアとなるための第一歩を踏み出しましょう。
エンジニアになるための学習ロードマップはこちら!
フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニアそれぞれを目指すための学習ロードマップを紹介します!
フロントエンドとバックエンドのどちらも習得し、フルスタックエンジニアとして活躍する筆者の経験をもとにしたロードマップです。