プログラミングの学習を始めようと思ったとき、最初の一歩として多くの人が直面する問題があります。
それは「プログラミングスクールに通うべきか、それとも独学で学ぶべきか」という選択です。
ある人は「プログラミングスクールに通わなくても、自分でしっかりと学べた」と語ります。
一方で、「独学では挫折してしまった」という声も少なくありません。
このような状況では、何を基準に選択をするべきか、迷いが生じるのは自然なことです。
私自身は、プログラミングに全くの未経験から始め、プログラミングスクールでの学習を通じて、現在は自社開発企業でフルスタックWebエンジニアとして活躍しています。
さらに、副業としてプログラミングスクールの講師も務めており、多くの学生や受講生を今でも指導しています。
その経験をもとに、この記事では「プログラミングスクールに通うべきか、それとも独学で学ぶべきか」という疑問について、解決のヒントをお伝えします。
プログラミングスクールに通うメリット 7選
プログラミングスクールの利用を考えている方は、その費用や時間の投資について悩んでいるかもしれません。
確かに、プログラミングスクールには一定のコストが必要ですが、その対価として得られるメリットも無視できません。
以下で、プログラミングスクールに通うメリットを7つ具体的に解説します。
不明点やエラーに遭遇したらすぐ質問できる
一つ目のメリットは、講師(メンター)に直接質問ができる点です。
例えば、独学でプログラミングを始めた場合、一つのエラーコードにつまづいたら、解決策を探すためにインターネットで調査したり、エラーメッセージを読み解いてデバッグすることでしょう。
しかし、このプロセスは時間がかかり、正確な答えを見つけることが難しい場合もあります。
独学では、このような障壁に直面したとき、精神的にも体力的にも挫折してしまう可能性が高くなります。
対照的に、プログラミングスクールでは専門の講師が常にサポートを提供しています。
この環境では、疑問点やエラーに遭遇したらすぐに質問が可能です。
つまり、問題点を早期にクリアでき、学習の進捗が早まるのです。
就職・転職に向けたサポート体制が充実している
プログラミングスクールでは、多くの場合、就職や転職に関するサポートが提供されています。
特に、プログラミングの経験がない方にとって、このサポートは非常に価値があります。
例として、一部のプログラミングスクールは、IT企業との独自のパートナーシップを築いており、スクール卒業生に対して求人情報を提供したり、推薦を行ったりします。
このようなサービスは、一般の転職エージェントよりも効率的かもしれません。
短期間で効率良くプログラミング言語・フレームワークを学べる
プログラミングスクールは、独学よりも効率的にスキルを磨く場所です。
自分で学習する場合、どの資料が適切か、何から始めればよいか、さまざまな疑問が生じるでしょう。
例えば、独学では「JavaScriptをどの程度学んだら次にReactを学べるのか?」というような問題に直面する可能性があります。
プログラミングスクールでは、このような問題を解消するためのカリキュラムが整備されています。
特定の目的に応じて設計された教材と講師のサポートにより、効率的に必要なスキルと知識を身につけることができます。
独学で6か月〜1年かかるかもしれない知識を、プログラミングスクールでは3か月程度で学ぶことが一般的です。
これは、専門的な指導と濃密なカリキュラムが用意されているためです。
そして、効率的に学習したという経験は、将来他のプログラミング言語やフレームワークを学ぶ際にも大いに役立つでしょう。
現役エンジニアから生の情報を得られる
プログラミングスクールの一つの大きな利点は、現場で活躍するエンジニアから直接的、そして貴重な知識を得ることができるという点です。
エンジニアは、業界の最新動向や、現場で求められるスキルについて深い知識を持っています。
例えば、Web開発における最新のフレームワークや、データサイエンスで使われるアルゴリズムなどがあります。
このような情報は、教科書やオンライン教材では得られないことが多いです。
特に初心者がよく躓く、理論よりも実践的な問題についての対処法なども、現役エンジニアからの指導でスムーズに乗り越えることができます。
さらに、現場で何が行われているか、どのようなスキルが求められているかについて、リアルタイムで知ることができます。
この点は、エンジニアとして働く未来に向けて非常に価値のある情報となります。
モチベーションを保ちやすい
学習の進行においては、モチベーションの維持が非常に重要です。
特にプログラミングは、独学での学習が多いため、挫折する人も少なくありません。
しかし、スクール環境では、専門のメンターが学習の進め方や進捗など、学習自体のケアを手厚く行ってくれる場合が多いです。
実際、私が講師を務めるスクールでも、週に2回のメンタリングを通じて進捗や学習に関してアドバイスを差し上げています。
また、同じ目的を持つ仲間と一緒に学べる環境は、学習の質を向上させるだけでなく、モチベーションも高めてくれます。
ロードマップに沿って必要なスキルを習得できる
スクールには通常、明確なカリキュラムやロードマップが設定されています。
これによって、何を、どの順番で学べば良いのかが明確になります。
これは特に初心者にとっては、多くのプログラミング言語やフレームワークが存在する現状で、非常にありがたい指針となります。
たとえば、Web開発を学びたい人は初めにHTML、CSSから学び、次にJavaScript やバックエンド言語を学ぶといった流れがあります。
このように、無駄なく効率よく学習を進めることができます。
学習することが習慣になる
プログラミングスクールに通うと、プログラミングの学習が日常の一部、すなわち「習慣」になります。
多くのプログラミングスクールでは、定期的な課題やプロジェクトが設定されており、それに取り組むことで、自然とプログラミングの学習が習慣化します。
この習慣化は、プログラミングだけでなく、日々進化するIT業界で生き抜くためには非常に重要な要素です。
習慣的に新しい知識を吸収し、スキルを更新する能力は、現場で活躍するためには欠かせないものとなっています。
プログラミングスクールでの学習が向いている人
このセクションでは、プログラミングスクールが特に適していると考えられる5つの人物像について詳しく説明します。
もし以下のいずれかに該当すると感じた場合、プログラミングスクールの受講を検討してみてください。
基礎からプログラミングを学びたい人
基礎から学びたいと思っている方には、プログラミングスクールが非常に有用です。
例えば、変数やループ、条件分岐などの基本的な概念から始まり、進んでウェブ開発やデータ解析のような実用的なスキルへと進むことができます。
多くのプログラミングスクールは、初心者を対象としたコースが豊富に用意されています。
このようなコースでは、初心者でも無理なく学べるように、ステップバイステップのカリキュラムが設計されています。
逆に、すでにプログラミングの基礎を把握している人には、このような基礎中心のカリキュラムは冗長に感じる可能性があります。
多くのスクールでは、カリキュラムのスキップは原則として認められていないため、既知の内容を再度学ぶことになる可能性が高いです。
一人で勉強を続ける自信がない人
プログラミングスクールには、他人と一緒に学ぶという社会的な側面があります。
これは、自主学習で集中力を保つのが難しい方に特に有用です。
例を挙げると、独学でプログラミングを学び始めたが、途中で挫折してしまったという人は少なくありません。
講師が常に監修しており、また学費もそれなりにかかるため、自然と真剣に学ぼうという気持ちが高まります。
さらに、他の受講生と一緒に勉強することで、お互いにモチベーションを高め合い、持続的に学習を進めることができます。
現場で必要な実践的スキルを身に付けたい人
プログラミングスクールは、実際の仕事で必要とされるスキルを効率よく身につける場ともなっています。
例として、ソフトウェア開発のプロジェクトではGitHubを用いたバージョン管理が一般的ですが、このような実践的なスキルもプログラミングスクールで学ぶことができます。
多くの講師は現役のエンジニアであり、そのため業界で求められる具体的なスキルやノウハウが直接学べます。
また、一対一で質問ができる環境があるため、単にテクニカルなスキルだけでなく、現場で求められる思考方法や問題解決の手法についても学ぶことが可能です。
期間を決めて集中的に学びたい人
プログラミングスクールは受講期間が設定されており、その期間内で目標に応じたスキルセットを習得することができます。
例えば、3ヶ月間でフルスタックの基礎を学びたい場合、プログラミングスクールのカリキュラムがそのニーズに応えてくれます。
対照的に、独学でプログラミングを学ぶ場合、スケジュールがフレキシブルである一方で、目標達成に時間がかかることが一般的です。
例を挙げれば、仕事や他のコミットメントにより、学習が散漫になってしまうことも少なくありません。
さらに、長期間かかると、学んだことの定着度も低くなるリスクがあります。
このような事情から、期間を限定して集中的にスキルを身につけたいと考えている方、特に転職や就職の締切がある人には、プログラミングスクールが非常に適しています。
就職・転職のサポートを受けたい人
多くのプログラミングスクールでは、単にプログラミングの技術的な側面だけでなく、キャリア形成に関するサポートも提供しています。
独自のネットワークや業界とのつながりを活用して、就職・転職活動を効率的に進めることが可能です。
例として、スクールが提供する専門のキャリアカウンセラーとの定期的な面談や模擬面接、履歴書・ポートフォリオ作成の指導などがあります。
このようなサービスによって、自分一人で就職・転職活動をするよりも効率的で、良い条件での就職・転職が期待できます。
さらに、スクールを卒業して一定レベルのプログラミングスキルを有することは、業界未経験でも就職・転職で有利です。
具体的には、スクールの卒業証明や作成したプロジェクトをポートフォリオとして提出すれば、採用側による評価が高まり、成功確率が向上するでしょう。
以上の理由により、キャリアの方向性をしっかりと考慮しながらプログラミングスキルを高めたいという方に、プログラミングスクールは非常に有用であると言えます。
プログラミングスクールの選び方と注意点
プログラミングスクールの選択は一朝一夕に決められるものではありません。
各スクールは教えるプログラミング言語、費用、サポート体制といった点で異なる特性を持っています。
ここでは、プログラミングスクール選びで重視すべきポイントについて詳しく解説します。
これらの要素を考慮して、あなたに最適なスクールを選びましょう。
受講したいプログラミング言語・フレームワークを学べるか
まず最初に考慮すべきは、学びたいプログラミング言語やフレームワークが教えられているかです。
言語やフレームワークによって、その後のキャリアや作成できるプロジェクトが大きく異なります。
例として、Ruby on RailsはWeb開発に特化したフレームワークです。
このフレームワークをマスターすれば、例えばSNSやECサイトといったWebサービスの開発が手にできます。
逆に、Pythonの場合はデータ分析や機械学習に強いですが、Web開発には必ずしも最適ではありません。
短期間でWebエンジニアになりたいと思っている場合、Pythonに時間とお金を投じることは効率的でないかもしれません。
よって、どのプログラミング言語で何を学びたいのか、その目標に応じて選べるスクールを検討することが肝要です。
サポート体制は自分の学習スタイルに合っているか
各プログラミングスクールは、そのサポート体制に差があります。
一部のスクールは就職・転職サポートを提供していますし、質問に対するサポートや、副業に関するアドバイスなどがある場合もあります。
さらに、いくつかのスクールではオプションで追加料金が必要なサポートもあります。
そのため、自分がどのようなサポートを必要とするのか、それにかかるコストもしっかりと確認しておくことが重要です。
また、サポートの時間帯も考慮するべき点です。
例を挙げると、あるスクールは平日の昼間しかサポートがない場合があります。
それが自分の学習スケジュールに合わない場合、そのスクールは適していない可能性が高いです。
料金と受講期間が合っているか
次に考慮するべきは料金と受講期間です。
多くのプログラミングスクールでは一定の受講期間と料金が設定されています。
この点は、あなたの予算や時間的な制約に照らし合わせて評価する必要があります。
例えば、RUNTEQのようなスクールでは、学習時間が1000時間を想定しているために9ヶ月という長期間のコースがあります。
このような場合、費用もそれに比例して高くなることが一般的です。
短期間で受講を終えたいと考えている場合、その短期間でしっかりとスキルを身につけられるかどうかも考慮する必要があります。
事前に無料カウンセリングで相談できるか
事前に無料でカウンセリングが受けられるスクールは、その環境や講師の質を事前に確認できるという大きなメリットがあります。
ウェブサイトや口コミだけで判断するよりも、実際にスクールの環境を感じることで、より確実な選択ができます。
コミュニティでの交流はあるか
最後に、コミュニティでの交流が可能かどうかも確認する価値があります。
特に、同じ目標を持つ仲間と一緒に学べる環境は、学習意欲を高めるだけでなく、後々のキャリアにも有益です。
何らかの形で現役のエンジニアとの接点が持てるようなコミュニティが存在する場合、それは特に価値が高いでしょう。
特にフリーランスや独立を目指している人にとっては、このようなコミュニティは重要な人脈を築く場ともなりえます。
以上のポイントを踏まえ、自分に合ったプログラミングスクールを選ぶことが、成功への第一歩となるでしょう。