Webエンジニアという職種は IT・エンジニア系でも人気の職種であり、まさに手に職となるスキルを身につけ、さまざまな働き方で活躍することができます。
ただ、Webエンジニアは専門性が高い職種です。
そのためWebエンジニアを目指す方、特に IT業界未経験の方は不安になりますよね。
そこで本記事ではこの疑問にお答えするため、以下のような内容をご紹介します。
- Webエンジニアになるために必要な準備
- 事前に学習しておくべきこと
- Webエンジニアになるための学習方法
今回の記事を読んでいただいた方は、Webエンジニアになるための方法が分かります!
なお、まずはWebエンジニアの全体像を知りたいという方は、以下の記事で概要を掴んでおくのがおすすめです。
Webエンジニアの仕事内容
Webエンジニアの業務は多岐にわたり、WebサイトやWebアプリケーションの設計から開発、リリース後の運用・保守までを手がけます。
この仕事は主に以下の3つのカテゴリーに分類されます。
- Webサイトの企画・要件定義
- 開発・コーディング
- Webサイトの運用・保守
仕事内容についてイメージを掴んでおくと、この後に説明するスキルの必要性がよく分かるかと思います。
こちらの記事で詳しく解説していますので合わせてお読みください!
Webエンジニアの種類
Webエンジニアは、多くの人が利用するAmazonやTwitterなどのWebサービスを開発・設計・管理するエンジニアです。
基本的に、この業界では主に二つの大きな職種に分けられます。
- フロントエンドエンジニア
- バックエンドエンジニア
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接触れるWebページの見た目や操作感を設計・開発します。
HTML, CSS, JavaScriptなどを使って、ユーザーにとって使いやすいインターフェースを作成するのが主な仕事です。
場合によってはデザインやUI/UXに関する知識も必要で、多岐にわたるスキルが求められます。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、フロントエンドと対照的に、ユーザーから見えない部分のシステムを担当します。
具体的には、サーバーやデータベースの管理、APIの設計・開発などが主な業務です。
使用する言語はRuby, Python, PHPなどが多く、高度な専門性が求められます。
また、システムのセキュリティ面も重要な責任を持つため、そのスキルセットは非常に広いことが特徴です。
Webエンジニアになるための準備ガイド
ここでは、Webエンジニアを目指す上で必要な準備をお伝えします。
なお、必要なスキルという観点では以下の記事で詳細を解説していますので、合わせて読むと理解が深まります!
Webシステムの基礎知識を学習する
Webエンジニアとして成功するためには、特定の基礎知識とスキルセットが不可欠です。
このセクションでは、特に「セキュリティ」「サーバー」「データベース」に焦点を当てて説明します。
セキュリティ
セキュリティはWebエンジニアの職務において非常に重要な部分を占めます
特にユーザーデータを取り扱う際、その情報の安全性を確保する必要があります。
これには暗号化技術の理解はもちろん、SQLインジェクションやXSS(クロスサイトスクリプティング)といった一般的なセキュリティ脅威に対する防御策を理解しておくことが求められます。
単体で学習すると挫折しやすいので、ITパスポートや基本情報技術者の資格取得を通して学習するのがおすすめです。
令和05年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生のITパスポート教室 (情報処理技術者試験)
令和05年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室 情報処理技術者試験
サーバー
サーバー技術は、Webサービスやアプリケーションを運営する基盤です
例えばHTTPプロトコルや、サーバーに関わるネットワークの仕組みも理解することで、より効率的なシステム設計が可能となります。
また、サーバーのリソースを最適に活用する方法や、障害発生時のトラブルシューティングも重要なスキルとなります。
独学だとなかなか学ぶタイミングがないかもしれませんが、以下のような簡単な本でも良いのでどこかのタイミングで学習しておくことをおすすめします。
データベース
データベース管理は、データを効率的に格納、取得、操作するためには不可欠です。
SQLの基本操作から始め、データの正規化やインデックスの最適化、さらにはスケーラビリティを考慮した設計まで、多方面にわたる知識とスキルが必要です。
データベースはWebアプリケーションにおいては必ず使われるものの、初心者と中級者で差が付きやすいスキルです。
しっかり身につけ、他と差をつけておきましょう!
開発に必要なツールを学ぶ
Webエンジニアの仕事には、以下に挙げるような一般的な開発ツールに精通していることが求められます。
- Git/GitHub
- Linuxの基本的なコマンド
- IDE(例:VSCode)
Git/GitHub
Gitは、コードのバージョン管理に用いられます。ブランチ作成、マージ、コンフリクトの解消など、多人数での開発を円滑に進めるためには欠かせないツールです。
例えば、複数人で同じファイルを編集していると、どのファイルが最新の状態なのかわからなくなってしまいます。
しかし Git(+GitHub など)を使えば、ファイルの変更履歴を管理できるため、誰がいつ、どのような変更を加えたのかを確認することができます。
コマンドライン操作(Linuxコマンド)
Linuxコマンドは、サーバーの設定やファイルの操作に頻繁に使います。GUIよりもコマンドラインで行う方が柔軟で効率的な場合も多いため、このスキルは欠かせません。
例えば、サーバーの設定を行う際には、コマンドラインで設定ファイルを編集することが多いです。また、サーバーのログを確認する際にも、コマンドラインでログファイルを閲覧することが多いです。
IDE(例:VSCode)
IDEとは、Integrated Development Environmentの略で、日本語では「統合開発環境」と呼ばれます。
これは、コーディングやデバッグ、バージョン管理など、開発作業の多くを一元的に行える環境を提供するツールのことです。
IDEとしてはVSCodeが良く使用されます。IDEはコーディング、デバッグ、バージョン管理など、開発作業の多くを一元的に行える環境を提供します。構文のハイライトや自動補完、デバッグ機能などが備わっているため、作業効率が大幅に向上します。
これ1冊でできる!Visual Studio Code 超入門
プログラミング言語を学ぶ
フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニアのどちらを目指す場合でも、Webエンジニアになるのであればプログラミング言語の学習を行う必要があります。
フロントエンド・バックエンド共通
どちらの場合でも、Webエンジニアである以上、必ず使うHTML/CSSの知識は必須です。
Webサイトの見た目を作る基礎ですので、最初はHTML/CSSから学ぶことをおすすめします。
フロントエンドエンジニアの場合
Webサイトの見た目を作るだけでなく、動的な要素を追加するためにJavaScriptの学習も必要です。
JavaScriptの役割は、Webサイトに動的な要素を追加することです。
例えば、ボタンをクリックしたら画像が表示されるような動作を実現することができます。
最近ですと、フロントエンドエンジニアはJavaScriptだけでなく、TypeScriptの知識も求められることが多いです。
TypeScriptはJavaScriptの拡張言語で、静的型付けによりコードの品質を高めることができます。
バックエンドエンジニアの場合
バックエンドエンジニアは、Webアプリケーションのサーバーサイドの開発を行います。
サーバーサイドの開発には、PHP、Ruby、Python、Java、Goなどの言語が使われます。
どれを選んでもバックエンドエンジニアとしてのスキルを身につけることはできますが、言語によって得意な分野が異なるため、自分の目標に合わせて選ぶことをおすすめします。
テーブル形式で特徴や用途を紹介
言語 | 特徴・用途 |
---|---|
Ruby | 学習リソースが多く、初心者におすすめ |
Python | 機械学習やデータ分析など、幅広い分野で活躍 |
PHP | WordPressなどのCMSで使われている |
Java | 大規模なシステム開発に向いている |
Go | マイクロサービスなど、分散システムに向いている |
初心者におすすめの言語はRubyです。学習リソースが多く、また、シンプルな構文で書かれているため、初心者でも比較的簡単に学習を進めることができます。
フレームワークを学ぶ
プログラミング言語をマスターした後のステップとして、フレームワークの習得は欠かせません。
フレームワークは、一般的な問題を効率的に解決するために設計されたツールキットのようなものです。
例として、Rubyでは「Ruby on Rails」が、Pythonでは「Django」や「Flask」が、PHPでは「Laravel」が広く使われています。
これらのフレームワークは、コーディングスタイルやファイル構造、データベースの接続方法など、一連のベストプラクティスを提供しています。
フレームワークを使うメリットは多く、開発スピードの向上はもちろん、チームメンバーが共通の土台の上で働くことで、協力しやすい環境を作ることも可能です。
フレームワークの中では、Ruby on Rails は開発スピードの高さに特徴があり、かつ学習しやすいので特におすすめです!
ポートフォリオを作成する
技術スキルを一通り身につけたら、それをいかにして他人に見せるかが問題になります。
この解決策として「ポートフォリオ」があります。
ポートフォリオはあなたがこれまでに学び、作成したものを展示する場です。
GitHubなどでソースコードを公開したり、実際にWebアプリケーションをデプロイ(他の人が触れるように公開)することで、実践でどれだけのことができるのかを証明できます。
就職・転職活動をする
全ての準備が整ったら、いよいよ就職・転職活動のフェーズです。
ポートフォリオと履歴書を武器に、企業に対して自己アピールを行います。
面接においては、技術面だけでなくコミュニケーションスキルも重要になる場合が多いです。
そのため、事前に自己分析をしっかりと行い、強み・弱みを明確にしておくことが重要です。
Webエンジニアに資格は必要ないのか?
ITパスポートや基本情報技術者などの資格について、Webエンジニアの実務には必要ないという声を聞くことがあります。
これはおそらくですが、知識よりも「実際にプログラミングできるかどうか」が重要視される場面があるために、このように言われるのだと思います。
しかし、未経験からWebエンジニアを目指す場合は、客観的な評価指標がある方が有利です。
例えば、あなたと同時期に同じ会社を受けたエンジニア未経験の人がいたとしましょう。
このとき、両方が同じようなスキルレベルだったとしても、基本情報技術者などの資格を持っていると以下の点で評価が高くなります。
- Webエンジニアとして必要な基礎的な教養は身に付けている
- 自ら学習しようとする姿勢・勤勉さを持っている
そのため、Webエンジニアを目指す人、特にエンジニア未経験の人にとっては資格取得が重要となります。
有名なのは先述した IT パスポート、基本情報技術者、応用情報技術者あたりです。
ただし、ITパスポート以外は年に2回(4月、10月)しか受けられないので、早めに申し込みをしてから勉強をスタートしましょう!
【令和5年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集
Webエンジニアになるための学習方法は?
プログラミング言語に限らず多くの知識を身に付ける必要があるWebエンジニアですが、目指す上では主に以下3つの学習方法があります。
- 書籍で学習する
- 動画 (Udemy) で学習する
- プログラミングスクールへ通う
それぞれの違いやポイント、メリットなどは以下の記事で詳しく解説していますので、合わせて読んでおくと理解が深まります!
必要なスキルについても詳しく分かりますので、ぜひとも読んでおきましょう。
これからWebエンジニアになりたい人へのアドバイス
いかがでしたでしょうか?
Webエンジニアが必要なスキルについて、より具体的なイメージが付いたかと思います。
紹介してきたスキルを身に付けて Web エンジニアになるための準備には膨大な時間がかかります。
そのため、あまり時間がない方は1日でも早く、Webエンジニアになるための準備をスタートしましょう!